弁護士・日弁連・裁判所と闘います エム’s blog

法律素人による本人訴訟や弁護士懲戒請求などの記録


⑥ 日弁連の違法な異議申出却下決定に対し行政訴訟提起 → 東京高裁「決定は違法でも請求は却下」= 日弁連の違法を裁判所が黙認

日弁連の明らかに違法な異議申出却下決定の「無効確認」を求める行政訴訟を提起しましたが…

 

 行政訴訟(無効確認+申請型の処分又は裁決の義務付け)

 弁護士懲戒請求の「期限内の適法な異議申出」を日弁連が期間徒過として却下決定したことは、「重大かつ明白な瑕疵ある決定は違法で無効」(←行政法の基本中の基本)であり、懲戒処分の行政庁としてこの違法な決定を職権で取り消し、綱紀委員会での適法な「異議の審査」(弁護士法64条の2)を行うことを日弁連に求める行政訴訟を提起しました。(法定の手続を拒否して行わない日弁連に遵法を求めるだけの内容です。「日弁連は法律を守りましょうって裁判所からも言ってください!」みたいな)

 しかし、第1審担当の東京地裁民事51部 岩井伸晃・和田山弘剛・吉賀朝哉は、「弁護士の懲戒制度は…懲戒請求者の利益保護のためのものではないから…法的保護の対象となる具体的利益の侵害を受けるものではない」として、旧態依然とした「法律上保護された利益説による原告適格判断によりこの請求を却下しました。
 これまでの判例からこの判決は予想はしていましたが、「明らかに事実誤認で著しく妥当性を欠く違法で無効な却下決定を裁判所が黙認」したことには納得いきません。違法で無効な日弁連の却下決定をそのままに放置して、法律で規定されている手続きを行政庁が行わなくてもいいんでしょうか? 違法なのは明らかなんだから、その違法な決定を日弁連が職権で取り消して適法な審査をやり直せば済むことなのに、このまま日弁連の違法を放置したままでいいんでしょうか?

 日弁連は自らの違法状態を維持してまでもこの懲戒請求を適法に審査したくないのです。日弁連自身この決定が不適法であることを認めてるのだから、適法にやり直せばいいだけのことなのに。この判決はイカサマ日弁連の「故意の違法」を裁判所が後押しするものです。

 そこでエムは、「これまでの判例のように、日弁連が(形式的に)適法に行った審査の結果としての決定内容に不服を言っているわけではなく、本件では重大かつ明白な瑕疵がある却下決定により、弁護士法64条の2に規定される適法な「異議の審査」の手続きが行われなかったことについて、その違法な決定の無効を主張している」ことや、判例の「法律上の利益を有する者とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され…る者をいう……当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである」という最高裁の判示を挙げて、エムは法64条の1の「異議申出権」(「懲戒請求者は、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる」
を侵害されており(異議申出を不当に門前払いされて、実質的には異議を申し出ることができなかった=異議申出権侵害、「当該処分により自己の権利を侵害された者」として原告適格を有することなどを主張して控訴しました。


 しかし、東京高裁22民 定塚誠・菊池絵里・岡口基一による控訴審判決は、エムの主張を完全に無視して、「適法な異議申出を不適法なものとして却下した場合であっても、
法律上の規定はないし、懲戒請求者に対する処分でもないから、その却下決定の取消し又は無効確認を求める控訴人の訴えは不適法と言わざるを得ない」判示して、「日弁連が行政庁として懲戒請求者の適法な異議申出を違法に却下しても、懲戒請求者はその明らかに違法な決定の取り消しを求めることはできない」ことを明言し、また、エムが主張した「異議申出権という自己の権利の侵害による行政訴訟の原告適格」についても、「法的に保護すべき利益とは言えない」とだけ判示してエムの「行政による権利侵害」という主張を無視して請求を却下しました。(日弁連が異議申出を違法に門前払いして、法定の「異議申出権」を侵害しても、懲戒請求者は泣き寝入りしろと裁判所が認定したということ)


 かつて行われた行政訴訟改革の趣旨である「行訴法の柔軟な解釈による原告適格の拡張」や「行政に対するチェック機能の強化」についてもエムは主張したのですが、それらはまったく無視されて一言も言及されませんでした。日弁連の違法行為を黙認する東京高裁の「結論ありき」の判決です。日弁連が行政庁として行った懲戒手続きの明らかな違法を補正せずに黙認するなんて、こんなので法治国家と言えるんでしょうか?

  ダメ元で一応、「行政における適正手続保障」(憲法31条準用)を主張し、行政庁として日弁連が行った違法な却下決定や弁護士法に定められる適正な懲戒手続の故意の不作為は、弁護士法の弁護士自治の趣旨に反するもので公益を損なうなどと主張して上告しましたが、お決まりの「その実質は単なる法令違反を主張するものであって…」で棄却されてしまいました。(はっきりと憲法違反を主張したんですけど…)

 つまり、
「日弁連が懲戒請求の異議申出を(たとえ故意により)違法に却下して適法な懲戒手続きを行わなくても、その「重大かつ明白な瑕疵がある違法な決定」は取り消されず、裁判所のお墨付きでこの違法状態は維持される。日弁連が行政庁として行う懲戒手続きにおいては、弁護士法に定められた適正手続は保障されない」という恐ろしく妥当性・公正性に欠ける東京高裁の判決です!

 違法な決定を適法にやり直すことを拒否する日弁連に対し、裁判所はその違法を黙認し日弁連を擁護する不公正な判決を出しました。やはり行政訴訟改革はまだまだですね。日弁連が自ら言ってる通りです(→ 日弁連:行政訴訟改革:原告適格の拡大)。日弁連の違法な決定が行政訴訟で無効確認されるくらいに、日弁連の行政訴訟センターにはその活動をがんばっていただきたいものです。

 

  ↓ 違法決定無効確認が認められなくても、日弁連の却下決定が違法なのは間違いないことです。そこでエムは、日弁連の適法手続拒否・適正手続不作為により被った手続上の損害について、損害賠償請求訴訟を提起しました。すると東京地裁は…

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